サステナビリティへの取組み

NPRだからこそできること

NPRでは、近年増加傾向にある様々な「自然発生リスク」が、投資法人の運営・収益にどのような影響を及ぼすかについて、正しく認識するよう努めています。また、その対応策について実施の検討を進めています。
ここでは、 「自然発生リスク」がNPRに及ぼす可能性がある影響と、これまでに実施してきた対応策をご紹介します。

物件運営への影響と対策

〈影響〉※想定されるリスクや機会(チャンス)を記載しているものであり、必ずしも実際に発生しているものではありません。

物件内で感染者が発生し施設が利用できなくなるリスク

エレベーターなどの建物設備を介してウイルスが拡散するリスク

既存の換気設備以上の換気能力が確保できず、感染防止対策が行えないリスク

〈対策〉

感染者発生時の対応マニュアルを整備

物件内で感染者が発生したケースを想定し、同じ建物内の他テナントへの連絡・建物設備の消毒手配・一時的な施設の利用停止などの手順を記載した対応マニュアルを、物件の特性に合わせて整備しています。

消毒液の設置・清掃時のアルコール消毒

各物件のエントランスに消毒液を設置するとともに、管理会社が建物内の清掃を行う際は、不特定多数が接触する設備(手摺り・ボタン等)のアルコール消毒を実施しています。

換気能力の告知

テナントに対し貸室の換気能力を告知するとともに、換気能力に応じた適正収容人数を通知し、貸室内の換気が不十分にならないよう努めています。

座席間にパーテーションを設置

物流施設内カフェテリアの座席間に、アクリル板パーテーションを設置し、感染症の拡大防止に努めています。

収益への影響と対策

〈影響〉※想定されるリスクや機会(チャンス)を記載しているものであり、必ずしも実際に発生しているものではありません。

テナント売上への影響

・外出自粛等の影響により、飲食店等を中心テナントとした商業施設や宿泊施設において、テナントの売上が減少するリスク

・スーパー等を中心テナントとした商業施設や物流施設において、テナントの売上が増加する可能性

オフィス需要への影響

・リモートワークの拡大により、オフィス需要が縮小するリスク

・1企業あたりのオフィス面積が低下することにより、「PMO」等の中規模サイズオフィスの需要が拡大する可能性

その他

・関係各社の業務制限・在宅勤務等により、リーシング活動が停滞するリスク

・移動制限等により、居住用施設の入替率(居住者の入退去率)が低下し、入替に伴うオーナー負担費用が抑制される可能性

〈対策〉

テナント売上支援

・休業要請期間中の賃料減額措置や売上増加に向けた各種キャンペーン実施の支援を、主に飲食テナントに対して実施しています。

・都市型商業施設「GEMS」では、同一GEMS内の複数店舗での注文を一回分の配送費で注文できる「GEMSはしごデリバリー」を展開し、デリバリー注文による売上増加を支援しています。

新業態テナントの誘致

・デリバリー店やゴーストレストランといった新たな飲食モデルが爆発的に増加している状況を受け、都市型商業施設「GEMS」にて、飲食事業者デリバリー店におけるシェア型キッチンの役割を担う新業態「デリステーションX」の誘致を行いました。

宿泊施設に新型コロナウイルス軽症者等を受入れ

・宿泊施設において、新型コロナウイルス感染症の軽症者等の受入れを実施しました。受入れ期間中は、各県からホテルオペレーターに対して客室料金が支払われるため、オペレーターの収益改善に寄与します。

セクター分散・固定賃料重視の運営

・NPRは、オフィス・居住用施設・物流施設・商業施設・宿泊施設等、様々な用途の不動産に分散投資を行うことで、各セクターに生じるリスクを分散しています。

・NPRは、「長期の安定した収益の確保」という運用方針のもと、テナントとの賃貸条件の決定にあたっては、中長期安定した賃料を受け取ることができる契約形態を重視しています。

投資セクターの分散状況/固定賃料比率はこちら
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新型コロナウイルス感染症による本投資法人への影響については、こちらをご覧ください。
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気候変動とは

産業革命以降、C02等の温室効果ガスの排出量増加により地球温暖化が急速に進んだことで、地球規模で大幅な気候の変化が生じています。近年では、世界各地で気候変動の影響による大規模な自然災害が発生しており、生態系への深刻な影響が懸念されています。
日本においても、気候変動の影響と考えられる大型台風や集中豪雨の被害が相次いでおり、気象庁によると、全国の1時間降水量50mm以上(バケツをひっくり返したような激しい雨)の年間発生回数は、1976~1985年の10年間が約226回であったのに対し、2011~2020年の10年間は約334回と、およそ1.5倍に増加しています。

出典:気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html)

オーストラリアの森林火災(2019年12月)

日本の台風被害

TCFD提言への賛同

TCFDとは、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討する目的で設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」です。NPRの資産運用会社である野村不動産投資顧問は、2020年7月にTCFD提言に賛同し、国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」に加入しました。
TCFDは、企業等に対して気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「指標と目標」「リスク管理」について把握・開示を推奨する提言を公表しており、NPRはTCFD提言に基づく気候関連の非財務情報(定性評価)の開示を行っています。

TCFD TCFDコンソーシアム

TCFD提言に基づく非財務情報(定性評価)の開示(TCFDレポート)についてはこちらをご覧ください。
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気候変動に伴うリスクと機会

NPRでは、将来における気候変動の影響について、「4℃シナリオ」・「2℃シナリオ」・「1.5℃シナリオ」の3パターンについて分析を行いました。 ここでは、それぞれのシナリオにおいて想定される主な「リスク」や「機会」をご紹介します。

4℃シナリオの世界

4℃シナリオとは、21世紀末時点において産業革命前と比較した平均気温の上昇を約4℃と想定したシナリオです。
現状のペースで地球温暖化が進み、大型台風や集中豪雨による浸水被害が増加、「物理リスク」と呼ばれる物件に損害を生じさせるリスクが顕在化します。

自然災害の増加(リスク)

NPRにおいては、大型台風や集中豪雨の増加により、保有物件における浸水被害や土砂災害の増加が予想されます。
自然災害の増加は、建物修繕費の増加・損害保険料の上昇・営業機会の損失等により、NPRの利益にマイナスの影響を及ぼす恐れがあります。

1.5~2℃シナリオの世界

1.5~2℃シナリオとは、 21世紀末時点において産業革命前と比較した平均気温の上昇を約1.5~2℃と想定したシナリオです。
地球温暖化を抑制するために省エネ規制の強化や新たな税制が導入され、「移行リスク」と呼ばれる脱炭素社会を実現する過程で生じるリスクが増大します。

省エネ規制の強化・炭素税の導入(リスク)

地球温暖化を抑制するために、C02等の温室効果ガスの排出に対して厳しい規制が導入される可能性があります。また、建物における省エネ基準の強化やZEB比率に関する規制、炭素税の導入等が予想されます。これらの規制強化は、設備投資費用や税負担の増加につながり、NPRの利益にマイナスの影響を及ぼす恐れがあります。

テナントによる物件の選別(機会)

温室効果ガスの排出削減を進める企業や環境意識の高い個人が、省エネ性・防災性を重視した物件選びを行うことが予想されます。
NPRが環境に配慮した施策を推進することで、物件の入居率が高まり、NPRの利益にプラスの影響を及ぼす可能性があります。

気候変動への対策

NPRは、サステナビリティに係る目標として「5 missions for the SDGs (SDGs達成のための5つの使命)」を掲げ、具体的な取組みを実施しています。気候変動への対策は、選定した5つのSDGs目標のうち「13.気候変動に具体的な対策を」及び「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に該当します。

SDGs目標「13.気候変動に具体的な対策を」に関する具体的取組み

・EV内への防災備品設置
・浸水防止用の止水版・水のう(止水壁)を設置

・レジ入居者への防災備品の配布
・地震・内水リスクアラートの運用

SDGs目標「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に関する具体的取組み

・再生可能エネルギー100%電力の導入
・LED照明・空調設備等省エネ設備の導入

・賃貸借におけるグリーンリース条項付き契約の促進
・物流施設屋上に太陽光パネルを設置

具体的取組みについて、詳しくはこちらをご覧ください。