- 各物件におけるエネルギー使用量・CO2排出量の適切な管理と削減【E】
※テナントの使用エネルギー含む - テナントに対するサステナビリティ意識向上施策の実施【E】
依存・影響の評価
- バリューチェーンの整理
- ENCOREによる依存・影響の評価
- リスク・機会の調査


本投資法人は、長期の安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指して運用を行うことをその基本方針としており、サステナビリティに配慮した運営を行い持続可能な社会を実現していくことが、本投資法人の基本方針に沿った運用に不可欠であると認識しています。
そのため、本投資法人は、全国各地に多くの不動産を保有する事業者として「建物の環境・社会的価値を高める」、「魅力あふれる街づくりを行う」、「生活する人を豊かにする」という3つの重要な社会的役割を認識し、持続可能な社会の実現に向けて、サステナビリティに関する取り組み目標を以下の通り設定しています。
SDGs(世界を変えるための17 の目標)の中から、NPRの事業と関連性の深い5つの目標を選定し、
「5 missions for the SDGs (SDGs 達成のための5 つの使命)」として重点的に取組みを推進しています。
NPRが資産の運用を委託する本資産運用会社におけるサステナビリティ(気候変動への対応を含みます。以下同じです。)に関する推進体制は、「推進体制」ページをご参照ください。
NPRでは、気候変動リスクがNPRに与えるリスクと機会を把握し、それが事業に与える影響を検討するためにシナリオ分析を実施しました。一連の検討過程においては、我が国の2050年カーボンニュートラル宣言に基づいて制定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を考慮しております。
NPRは、各国際機関等が公表している将来的な気候予測を主な情報源としてシナリオ分析を行いました。NPRが参照した主な情報源は、下表のとおりです。また、気候変動リスクは、「移行リスク」と「物理リスク」とに大別することができ、移行リスクと物理リスクの関係は、相互に依存するとともにトレードオフの関係にあると考えられています。
| 気候変動リスク | 主に参照した情報源 | |
|---|---|---|
| 移行リスク | 脱炭素社会を実現するための新しい規制、税制、技術等によって生じるリスク | IEA(国際エネルギー機関)World Energy Outlook 2023 |
| 物理リスク | 気象の変化等、気候変動そのものによって生じるリスク | IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書(AR6) |
NPRは、「パリ協定」の趣旨を踏まえ、2℃シナリオ・1.5℃シナリオと4℃シナリオの2パターンをシナリオ分析の前提シナリオに設定しました。各シナリオの概要は下図のとおりです。
1.5℃シナリオは、脱炭素社会を実現するための厳しい規制及び税制等が実施されることで、温室効果ガスの排出量が削減傾向となることを前提としており、物理リスクは低く、移行リスクは高いシナリオです。
2℃シナリオは、4℃シナリオと1.5℃シナリオの間に位置づけられますが、1.5℃シナリオと同様に厳しい規制及び税制等が実施されることで、温室効果ガスの排出量が一定程度抑制されることを前提としており、1.5℃シナリオと同程度ではないものの物理リスクは低く、移行リスクは高いシナリオです。

4℃シナリオは、脱炭素社会を実現するための厳しい規制及び税制等が実施されないことで、温室効果ガスの排出量が増加を続けることを前提としており、物理リスクは高く、移行リスクは低いシナリオです。

NPRは、前述した2パターンのシナリオごとに、識別したリスクと機会の財務的影響額の大きさを検証しました。各シナリオについて、2030年(中期的展望)及び2050年(長期的展望)における影響を検証しています。結果の概要は下表のとおりです。
なお、本検証は、現時点において収集可能なIEAやIPCC等の公表するシナリオやその他第三者の専門機関等が公表している客観的な予測データ等を参考にしながら、NPRの保有資産の状況等を踏まえて定性・定量的に検証したものでありますが、既知のリスクの不確実性又は未知のリスクその他の要因を内在しており、必ずしもその情報の正確性及び安全性を保証するものではありません。
| <リスクの内容> | <機会・リスク軽減と対応コストの内容> | ||||||||||||
| 分類 | リスクと機会の要因 | リスク | 財務的影響額 | 情報源 | 機会・対応コスト | 財務的影響額 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2030 年度 |
2050 年度 |
2030 年度 |
2050 年度 |
||||||||||
| 移行リスク関連 | 政策 | 炭素税制度の導入 | 移行リスク | 炭素税の負担発生・増加 | (単年) ▲0.9 |
(単年) ▲1.6 |
※1 | ➡ | リスク軽減 | 省エネ化工事・再エネ電力導入による炭素税の負担減少 | (単年) +0.8 |
(単年) +1.6 |
|
| 必要コスト | 再エネ電力導入に伴うコスト増加 | (単年) ▲0.1 |
(単年) ▲0.1 |
||||||||||
| 市場・評判 | カーボンニュートラルを目指す企業の増加 入居者による創エネ・省エネ性能重視の物件選び |
環境性能が低い物件(環境認証未取得物件)の競争力低下 | (単年) ▲2.9 |
(単年) ▲2.9 |
※2 | ➡ | 機会 | 環境性能が高い物件(環境認証取得物件)の競争力向上 | (単年) +2.6 |
(単年) +2.6 |
|||
| リスク軽減 | 環境性能の向上(環境認証の取得)による競争力の回復・向上 | (単年) +0.3 |
(単年) +0.3 |
||||||||||
| 必要コスト | 環境認証の取得・維持コスト | (単年) ▲0.1 |
(単年) ▲0.1 |
||||||||||
| 責任銀行原則による銀行の融資判断の変化 | グリーンローン等による資金調達コストの低下 | (※) | - | ー | (※) | ||||||||
| 物理リスク関連 | 急性 | 自然災害の激甚化 | 物理リスク | 洪水・高潮による物件被害の発生・増加及び営業停止による賃料収入の減少 | (累計) ▲2.5 |
(累計) ▲11.0 |
※3 | ➡ | リスク軽減・機会 | 保険料収入の発生・増加 | (累計) +2.5 |
(累計) +11.0 |
|
| 損害保険料の上昇 | (単年) ▲0.0 |
(単年) ▲0.1 |
※4 | ||||||||||
| 慢性 | 平均気温の上昇 | 冷房コストの増加 | (単年) ▲0.0 |
(単年) ▲0.0 |
※5 | 暖房コストの削減 | (※) | ||||||
| 合計 | (単年) ▲3.8 (累計) ▲2.5 |
(単年) ▲4.6 (累計) ▲11.0 |
合計 | (単年) +3.5 (累計) +2.5 |
(単年) +4.2 (累計) +11.0 |
||||||||
| 残余リスク | (単年) ▲0.3 (累計) - |
(単年) ▲0.4 (累計) - |
|||||||||||
※各リスクの算出における前提条件については、こちらをご参照ください
| <リスクの内容> | <機会・リスク軽減と対応コストの内容> | ||||||||||||
| 分類 | リスクと機会の要因 | リスク | 財務的影響額 | 情報源 | 機会・対応コスト | 財務的影響額 | |||||||
| 2030 年度 |
2050 年度 |
2030 年度 |
2050 年度 |
||||||||||
| 移行リスク関連 | 政策 | 炭素税制度の導入 | 移行リスク | 炭素税の負担発生・増加 | (単年) ▲0.0 |
(単年) ▲0.0 |
※1 | ➡ | リスク軽減 | 省エネ化工事・再エネ電力導入による炭素税の負担減少 | ● | ● | |
| 必要コスト | 再エネ電力導入に伴うコスト増加 | (単年) ▲0.1 |
(単年) ▲0.1 |
||||||||||
| 市場・評判 | カーボンニュートラルを目指す企業の増加 入居者による創エネ・省エネ性能重視の物件選び |
環境性能が低い物件(環境認証未取得物件)の競争力低下 | - | - | ※2 | ➡ | 機会 | 環境性能が高い物件(環境認証取得物件)の競争力向上 | - | - | |||
| リスク軽減 | 環境性能の向上(環境認証の取得)による競争力の回復・向上 | - | - | ||||||||||
| 必要コスト | 環境認証の取得・維持コスト | - | - | ||||||||||
| 責任銀行原則による銀行の融資判断の変化 | グリーンローン等による資金調達コストの低下 | (※) | - | ー | (※) | ||||||||
| 物理リスク関連 | 急性 | 自然災害の激甚化 | 物理リスク | 洪水・高潮による物件被害の発生・増加及び営業停止による賃料収入の減少 | (累計) ▲2.7 |
(累計) ▲14.4 |
※3 | ➡ | リスク軽減・機会 | 保険料収入の発生・増加 | (累計) +2.7 |
(累計) +14.4 |
|
| 損害保険料の上昇 | (単年) ▲0.0 |
(単年) ▲0.1 |
※4 | ||||||||||
| 慢性 | 平均気温の上昇 | 冷房コストの増加 | (単年) ▲0.0 |
(単年) ▲0.1 |
※5 | 暖房コストの削減 | (※) | ||||||
| 合計 | (単年) ▲0.0 (累計) ▲2.7 |
(単年) ▲0.2 (累計) ▲14.4 |
合計 | (単年) ▲0.1 (累計) +2.7 |
(単年) ▲0.1 (累計) +14.4 |
||||||||
| 残余リスク | (単年) ▲0.1 (累計) - |
(単年) ▲0.3 (累計) - |
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※各リスクの算出における前提条件については、こちらをご参照ください
TNFD分析にあたっては、「LEAPアプローチ」を採用しました。LEAPアプローチとは、バリューチェーン、自然との接点及び優先地域を特定し(Locate)、それらの地点について自然への依存や影響を特定・評価し(Evaluate)、依存と影響から生じるリスク・機会を特定・評価し(Assessment)、対応策を講じ、開示する(Preparation)体系的なアプローチです。

本投資法人は、「ENCORE(※)」を用いて、直接操業とバリューチェーンの上流・下流に位置する事業者に関する、自然関連の依存と影響について分析しました。
以下が、本投資法人のバリューチェーン、及び分析の結果としてのヒートマップとなります。

| ①食料・資源供給 | ②土壌・水環境の 維持 |
③汚染・廃棄物の 緩和 |
④生物による 調整機能 |
⑤気候・気象の調整 | ⑥災害・自然リスクの軽減 | ⑦レクリエーション・景観価値 | ⑧文化・知的価値 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 上流 (不動産開発) |
H | H | L | M | M | H | NA | L |
| 直接操業 (不動産賃貸) |
L | M | L | L | M | H | M | M |
| 下流 (各種テナント事業活動) |
L | M | M | L | M | M | M | M |
| ①土地・水域・海域への影響 | ②水資源の使用量 | ③大気への排出 | ④水・土壌への 汚染負荷 |
⑤資源採取・廃棄物 | ⑥生態系への 直接攪乱 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上流 (不動産開発) |
H | H | H | H | VH | H |
| 直接操業 (不動産賃貸) |
L | M | M | M | L | L |
| 下流 (各種テナント事業活動) |
L | M | M | M | M | M |
※ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)は、Natural Capital Finance AllianceがUNEP-WCMCと共同で開発したオンラインツール。
ビジネス活動ごとに「どの自然資本に」「どの程度」依存・インパクトがあるのかを定性的に把握可能。
本投資法人は、TNFDが推奨する「要注意地域」の判断基準に従って適切なデータベースを選定し、保有物件周辺の自然の状態や水・生態系リスクを評価しました。

| 所在地 | 1.生態系保全の重要度が高い | ||
|---|---|---|---|
| 1-1 生物多様性にとって重要な地域※1 | 1-2 生態系の完全性が高い※2 | 1-3 生態系の完全性が急速に低下※3 | |
| 宮城県仙台市 | |||
| 神奈川県愛甲郡 | |||
| 愛知県小牧市 | |||
| 福岡県糟屋郡 | |||
| 千葉県千葉市 | |||
| 広島県福山市 | |||
| 山梨県甲府市 | |||
| 神奈川県川崎市 | |||
※1:法的に、またはその他の方法により保護されている地域。
※2:環境資産を保護し、生態系サービスを維持するための機会が潜在しうる保全性の高い地域
※3:生態系サービス提供の回復力が低下している地域。
本投資法人は、水リスクに関する分析を実施しています。
なお、本投資法人は、災害時アラートの整備や、水害リスクに備えた物件への防水設備の設置を推進しています(詳細はこちらをご覧ください)。
本投資法人における、自然関連のリスク・機会は以下の結果となりました。
| 分類 | 想定されるリスク・機会 | 該当する指標 | 時間軸 | ビジネス上の 重要性※ |
|---|---|---|---|---|
| 物理リスク (急性) |
異常気象に伴う洪水、暴風雨、地滑り、高潮などにより、資産が毀損され、施設の稼働停止や復旧費用が発生する可能性がある。 | 2-2 洪水リスク | 短期 | 高 |
| 機会 | 質の高い緑地へのアクセスが可能な不動産への需要が高まった場合、生物多様性の高い重要地域に近接する物件の価値が向上する。また、外構緑地を活用した生態系配慮の取組みを実施し、第三者認証を取得できる可能性がある。 | 1-1 生物多様性にとって重要な地域 | 中期 | 中 |
| 機会 | 豊かな生態系サービスが残されている地域に立地する物件において、地域社会と協働した文化的価値・景観の保全に資する取組みを実施できる可能性がある。 | 1-2 生態系の完全性が高い | 中期 | 中 |
※ビジネス上の重要性:各リスク・機会を「①財務的強度」と「②発生可能性」の2軸で3段階評価し、重要性が「中」以上になったものを記載
NPRが資産の運用を委託する本資産運用会社におけるサステナビリティに関するリスク管理体制は下記のとおりです。
運用資産の新規投資にあたっては、デューデリジェンスプロセスのなかで、気候変動リスクに対する各種調査を踏まえたうえで、投資委員会にて投資判断を行っています。具体的には、対象物件の洪水・冠水可能性につき、各種ハザードマップによる浸水レベルや浸水履歴、治水工事等の実施履歴を調査・確認しています。また、環境認証の取得有無を含む環境・省エネ設備の有無、BCP対応状況等を確認しています。
サステナビリティ推進会議において、気候変動リスクを含むサステナビリティに関連したリスク全般の管理、モニタリングを実施しています。具体的には、温室効果ガス(GHG)排出の削減目標に対する省エネ施策や再エネ電力の導入施策等の実施状況と、それを踏まえたGHG削減状況を個別物件ごとにモニタリング、可視化しながら、GHG排出量の増減理由を分析し、必要な対策を適宜、検討しています。また、個別の物件ごとにサステナビリティ・リスク評価シートを作成し、気候変動リスク等が顕在化する可能性を評価しています。この評価は、毎年保有物件の一定割合に対して実施することとし、全物件に対して約5年間のローテーションに基づいて行っています。なお、気候変動リスクを含むサステナビリティの取組み全般については、サステナビリティ推進最高責任者(社長執行役員)管理監督に基づき推進しています。
NPRは、気候変動への対応をNPRの重要な社会的役割の一つだと認識し、具体的施策目標を掲げた上で、これまでに様々な対策を実施してきました。
今後も、シナリオ分析に基づいた気候変動に関するリスク・機会を的確に把握し、その対応に努めてまいります。
| 対応方針 | NPRは、SBTネットゼロ認定取得済のGHG排出量削減目標の達成に向けて、取組みを推進していきます。 |
|---|
2021年度総排出量を基準として、
NPR目標への進捗状況については、「環境データ」をご参照ください。
| 対応方針 | NPRは、環境外部認証の取得を継続して推進していきます。 |
|---|
NPRでは、DBJ Green Building認証・BELS・CASBEE-不動産等の環境外部認証の取得を促進しています。
※環境外部認証とは、DBI Green Building 認証・BELS・CASBEE-不動産を意味しています。
| 対応方針 | NPRは、脱炭素社会移行への貢献、および、運用資産における自然災害への備えの強化に向けた取組みを積極的に推進していきます。 |
|---|
NPRの取組みの具体例は、こちら